遊戯王映画(2016)の感想「今こそ、シン・遊戯王を制作する時が来た!!」

 

何となしに遊戯王の映画「遊☆戯☆王 THE DARK SIDE OF DIMENSIONS」を見た。

公開が2016年4月なのでちょうど5年前に公開された映画であるが、もあまり話題にならなかったので最近まで存在すら知らなかった。

ユーネクストで配信されていたので鑑賞してみた。

あらすじ


(画像引用:シネマカフェより https://www.cinemacafe.net/article/2016/04/30/40120.html)

闇遊戯こと古代エジプトの王アテムがいなくなった後の世界。武藤遊戯たちは高校卒業を目前にしていた。
そんなある日、クラスメートなのに存在してる記憶が曖昧な藍神に城之内が気がつき、みんな藍神へ違和感を覚える。
一方で海馬は千年パズルを再び組み立て、因縁のライバルである闇遊戯の復活を目論んでいる。

感想

 

結論から言っておもしろい。色々とかなり良くできている。

まったく期待していないどころか、冷やかしのつもりで観始めたので最後まで喰いってしまうとは自分でも驚きだった。

この映画の一番の凄さは何と言っても、過去の曖昧な記憶だけでワクワクできるところだろう。

ぼくは世代的に子供の頃にカードで遊んだ世代で、当時は遊戯王の原作漫画はジャンプで連載されており毎週楽しみにしてたし、アニメも毎週夢中になって見ていた。

童心に帰るとはよくいったもので、まさに90年生まれ前後の世代にとっての遊戯王とは童心に戻れる王様のような存在だ。

 

「今の遊戯王?どうせ知らないカードとかルールなんでしょ。」と、最初は冷めた目で見ていたのだがそんなものは杞憂だとすぐに思い知らせる。

登場するカードは当時と同一モンスターも多いが、新キャラでも顔なじみ感が強い。

ルールも生贄なしでいきなり強いモンスターを召喚できるようになったり、いろいろとツッコミどころがあるのだが、そんなことでいちいちツッコミを入れているようではこの映画は楽しめないだろう。

遊戯王の旧アニメ、バンダイ版のカードゲーム時代のルールの曖昧さを彷彿とさせる既視感もある。

海馬がオベリスクの巨神兵を出して窮地を凌ぐ場面なんて何とも言えないワクワク感があり、思わず声を出してしまったほどだ。

ディテールから完全にペルソナは誰なのかを理解してやっている確信犯である。

この映画にはこういった楽しみ方ができるシーンが多々登場するのである。

裏切らない全力デュエル

我々世代なら子供の頃に誰でも一度はやったことがあるだろう全力デュエル。

『俺のターン、ドロぉおおー!!!』

『俺はこのカードにすべてをかけるぜ!』

『フフフ、俺が引いたカードは、、、青い目眼の龍』

この一連の流れをスーパーハイテンションでやるのがお約束なのであるが、本作でもまさに記憶の中にあるイメージ通りの全力のデュエルを見せてくれる。

それも当時よりも無駄にグラフィックが上がっているためエゲツないほどの臨場感が楽しめる。

序盤に海馬の妄想(最新ハイテクマシンで海馬のイメージを具現化している模様)で闇遊戯との全力デュエルが始まるわけだが、このシーンだけでも映画館で2000円払ってでも見る価値は十分にある。

 

この続きも見たい作品

高校卒業した遊戯たちだが、この5年後、10年後、アラサーくらいになった時間軸も見てみたい。

視聴者はどんどん年をとっていくわけだし、漫画やアニメの中の人も年をとって欲しいという需要はあると思うのだが、案外こういう続編は出ない。

30過ぎても全力で己のターンでドローする海馬も見たいし、むしろおっさんになってからが勝負な面もあるだろう。

 

総括

シナリオ面にあまり触れることができなかったが、シナリオも普通に面白かった。

昔ながらのシャーディやら獏良了の親父も登場したりと、古代エジプトの昔話の後付け感がまたこの作品らしくて愛らしい。

個人的には、孔雀舞やバンデットキース、インセクター羽蛾といった往年のライバルたちも少しくらいは登場して欲しかった。

何よりもこの映画の公開が2016年ですでに5年も前であることに一番驚いた。

これだけ新しさを感じる映画でももう5年前。つまりもう古いのである。

 

さすがに毎年劇場版をやって欲しいまでは言わないが、5年たった今こそ「シン・遊☆戯☆王」を制作する時が来たのではないだろうか..

2016年から10年後、今からだとあと5年後にでも是非とも『シン・遊戯王』が観たい。

ゴジラ、エヴァ、ウルトラマン、仮面ライダーと来たからには次は遊戯王のターンだろう。

デジモンの映画が何とも微妙だったので、僕の童心は失われてしまったのだとセンチメンタルになっていたが、決してそんなことはなかった。

遊☆戯☆王 THE DARK SIDE OF DIMENSIONSは、我々世代が郷愁にふけながら一杯ひっかれる名作映画である。