エスジェイ(@crisisnoeln)です。
ラスト・オブ・アスというゲームを2019年末からやっていたのですが、先日ようやくクリアできたので忘れないうちに感想でもブログに書いておきます。
(クリアまでほぼ丸1年かかってますが、実質はこの1週間で一気に進めました)
このゲームは映画的である

個人的に最近よくやるゲームは、しっかりストーリーのある系のゲームをやることが多い。
映画を見たり、海外ドラマを見る感覚でゲームもしたいというのもあるのだろう。
ラスト・オブ・アスは続編が2020年に登場するということで、その前に評価の高い1を2019年末にプレイしていた。(結果的にクリアに丸1年かかってしまったが)
ストーリーは前評判通りに凝られた作りになっており、プレイしていても多々のめり込める要素もあった。
基本的なストーリー

基本的な世界観としてこのゲームは世紀末から始まる。
世界は原因不明の伝染病で満ち溢れ、感染した者はゾンビ化していく。
娘を失った中年男ジュエルが主人公で、娘の年頃の女の子エリーとひょんなことをきっかけに冒険することになる。
エリーは病原菌の抵抗を持っており、世界を救う可能性のある重要人物である。
彼女を無事に機関へ送り届けることがジュエルに課せられたミッションとなっており、このゲームの基本的な目的である。
物語はジュエルが娘を亡くした事件が冒頭で描かれその20年後、ジュエルは相棒の女性テスと2人でレジスタンス的な活動をしているところから再開される。
このレジスタンス的な活動が何なのかは、ハッキリと作中では語られることはない。
最初は仕事の流れで嫌々一緒にいたジュエルとエリーだが、一緒に冒険を続けるうちに絆が深まり、後半はお互いが命をかけて守り会う仲にまでなります。
ゲームとしての印象
結論からしてゲームとしては普通かなという印象。
ストーリーを全クリまでは普通にかかる時間は概ね15時間くらいだった。
最近のゲームの中では少なめといえる部類であろう。
似たようなジャンルのゲームだと、アンチャーテッドやトゥームレイダーを思い出したが、個人的にはアンチャーやトゥームレイダーの方が好みである。
ステルスアクションは面白いし、この手のTPSとしては上出来なのですが、ゾンビ相手の細かい仕様などは少しやってて不便さを感じる部分もあった。
ただ今回自分はPS3版でプレイしたので、リロードの長さなどの細かい仕様はPS4版だと改善されているかもしれない。
さらに続編となるラスト・オブ・アス2は、ネットでの評価だと賛否分かれるようだが、このへんのゲーム要素は前作よりも改善されている可能性は高いであろう。
(ラスト・オブ・アス2は未プレイ)
少女を救うか、世界を救うか

個人的にはここからが本題ですね。
一番考えたい点です。作家的な視点、ブログに残しておきたいところ、重要なポイントです。
以下はネタバレにも触れるので、もしこれからゲームをやりたい人とかは注意してください。
物語の最大のポイントとしては、エリーという人類を救う鍵となる人物の行方と世界の今後です。
いわば最終的には少女の命を取るのか、世界の希望を取るのか、この二者択一を迫られるわけですが…
最後のオチも含めて、ジュエルの行動も実は王道のようで王道ではなく、最終的には何の解決にもなっていないわけです。
以下、ネタバレ注意
例えば、似たような構造の話で王道ストーリーのゲームといえばFF10があります。
FF10の場合はヒロインのユウナは命をかけて旅をしており、最後のラスボスを封印するために自らが生贄になることを決めているわけですが、途中でそのことを知った主人公は「それではダメだ!」と別方法を考え、最終的には歴史を塗り替えて新たなる方法で生贄を出さずにラスボスを倒すわけです。結果的に少女の命も世界も救うことに成功します。
流れとしては・・
「ヒロインの命か世界を救うか? 究極の2択を迫られる」
→「主人公らは2択を拒みどっちも救う道を探す」
→「結果、ヒロインも世界も救われる」
が、FF10のオチとしては最後には主人公は消えてしまうというまさかなオチがつくわけです。
FF10は非常に物語としても秀逸なわけです。
ラスト・オブ・アスの場合・・
「ヒロインか世界を救うのか?2択を迫られる」
→「主人公は世界よりもヒロインを救う」
→「主人公はヒロインに嘘をついて世界は救われると伝える」
→「ヒロインは自分の唯一無二の重要性に気がついているので、主人公の嘘に疑問を抱きながらも主人公の言葉を信じる?」
という終わり方となります。
こうやって物語を構造的に見ていくと、一見王道展開のようなストーリーなんですが、最後の終わり方は非常に後味が悪いというか、実は全然世の中救われてないし、何の改善策が出たわけでもないわけなのでバッドエンドとも捉えることができます。というかバッドエンドですね。
この終わり方は正確にはバッドエンドにも分類できないやつで、アドベンチャーゲームによくあるどっちつかずのマルチエンディングの1つの終わり方に近いです。
マルチエンディングならこのエンディングでも全然問題ないのですが、一本の本編を締めるにはさすがに無理があるし、そもそも話終わってないところで無理やり終わらせているわけで、そのへんが一番残念なところでしょう。
極端にいえばラスト・オブ・アスの終わり方をFF10に置き換えると、ベベルからユウナを救い出して川でティーダと2人で云々やるくだりで「もう冒険やめちゃう?」って話になってそのまま「そうだね。辞めちゃお辞めちゃお♪」ってユウナが同意してそのままエンドロール流れる感じです。これはヒドい…。
まあ明らかに続編狙いの終わらせ方なんでしょうけど…。どうにも腑に落ちないところはありますね。
多くは語らないあたりをどう評価するか
他にも、セスはどうなったのか、エリーが捕まったときに何をされてたのかなど、細かいところで描ききれてない部分が多かったですね。
PS3版ではDLCでエリーがジュエルと出会う前のストーリーがあるようです。(PS4版だとプレイ可能)
このあたりは、DLCでストーリーを小売りして買わせるという嫌らしい商売としてやっていいくのか、まあDLCは全然良いんですけど、それでも本編に詰め込めるストーリーはできる限り本編に入れて欲しいところですね。
総括
ラスト・オブ・アスはプレイしているときは普通に楽しめましたが、冷静に思い出しながら書いていくと、色々と微妙な点も多かったですね。
とくにストーリーは途中まで素晴らしいできだと思うんですが、色々と説明不足な点も多かったり、終わり方があまりに雑だったり、そもそもが続編狙いだったりと、少し大人の事情を感じる点も多かったですね。
ラスト・オブ・アス2に関しては、プレイする予定でしたがPS4で優先的にやりたいゲームもまだあるので2021年内にはプレイできないかなーと思います。
そのうちやりたいゲームリストに入れておきます。