
エスジェイ(@crisisnoeln)です。
金曜は動画の日。週末は映画を観よう!ということでワンピースの映画フィルムレッドをアマプラで観たので感想を書いてきます。
あらすじ
ルフィたちが訪れたのはウタがLIVEをしているとある島。
ウタはこの数年で人気歌手となって世界に名を轟かせていたが、実はルフィとは幼なじみだった。
ウタはかつて赤髪海賊団でシャンクスらと一緒に航海しており、シャンクスの娘だったという。
ウタのLIVEで盛り上がるルフィらとウタは仲良くなるも、雲行きは怪しくなり島から抜け出すことができなくなる。
ONE PIECE 「Film Red」感想
(画像引用元:https://moviewalker.jp/mv75526より)
なかなか後付け感が強くてツッコミどころ満載ではあるが、そういうところを言い出したらキリがない気もするので置いておいて・・
一番最初に感じた感想としては、何よりも現代版にしっかりとアップデートされているなという点である。
何十年もやっている作品となると、次第に時代の波に飲み込まれてオワコンとなっていくものだが、そこは天下のワンピースなので心配ご無用ということなのだろう。
ウタという存在は歌が上手という能力を持ったインフルエンサーの投影であり、シャンクスという絶対的な強者を親に持つ親ガチャの覇者でもある。格差社会を象徴している存在ともいえるだろう。
まわりの観客というのはSNSのネット民たちで、有名人をチヤホヤと盛り上げるだけ盛り上げといて、何かあると秒で裏切ったりするわけだが、この映画では終始そんな描写が描かれている。
従来のラスボスがいて、いかにも悪い敵を倒してハッピーエンドという古臭いおとぎ話とは違う魅力がこの物語にはある。
ラスボスはか弱い少女ではあるが現代社会に飲み込まれて巨大化してしまった心の闇「うっせーわ!」を具現化した化身であり、シャレた音楽をあわせてLIVEを演じれば、これはもう興行収入100億円も納得のクオリティの出来上がりだ。
繰り返しだが、本当によくできていると思う。ワンピースをちゃんと現代版にアップデートしているというのに本当に感動した。
原作の世界観を壊せないのが劇場版

原作の世界観を壊すことができないというのも劇場版の難しい点のひとつである。
原作との繋ぎもあるで、下手にキャラを負傷させたり死亡させることももちろんできないわけだ。
ワンピースなら海賊がゾロゾロ登場してもここでティーチ登場!ということができないのも1つの設定を壊せない法則となる。
なので、どうやっても劇場版というのは当たり障りのないそこそこ強そうなオリキャラを作るのが妥当な選択となり、結果駄作が乱発されるとことになってしまう。
そういう意味ではドラゴンボールのブロリーがいかに凄いかが分かるが、逆をいえば劇場版はいかにブロリー的なキャラクターを生み出せるかというワンパターンな作品で埋もれてしまうのである。
ところが本作はなかなかに攻めた設定「シャンクスの娘」という少女を主役に置いている。
当然、後付けなわけなのでいろいろな問題が発生する。例えばシャンクスは幼少期のルフィを頑なに船に乗せなかったわけだが、それはシャンクスが海の危険性を骨の髄まで理解しているからである。
シャンクスは1話の最後に腕を犠牲にしてまで教えてくれるのだが、それすらも否定しかねない「実は裏でこんなことやってました」設定が、幼女のウタちゃんを乗せて航海していた。という後付け設定なのである。
これは劇場版の基本法則からするとかなりのぶっ飛び設定で、クレヨンしんちゃんにしてもドラえもんにしても、かつてここまでギリギリに攻めた基本設定で映画を制作したことがあるのだろうか?というレベルに根本から大攻めした設定なのである。
他にもシャンクスとルフィの再開も原作では長々と(リアルタイムでは30年近い歳月が経ってしまっている)おまたせしすぎてしまってる伏線ともいえるわけだが、それを劇場版でやってしまうのも一種のタブーともいえる。
ギリギリを攻めながらも、絶対的なタブー破りをしていない絶妙なラインを攻めているからこの映画は面白いのかもしれない。
まとめ

いや、まじで面白かったですね。この映画が歴代最高に売れたというのは納得でした。
過去のワンピ映画のクオリティも考慮すると、まったく期待できないと思っていただけに久々に良い意味でズッコケれた感じですね。
それにしてもこのLIVE感あるアニメーション映画は劇場で観たいですね。映画館行けば良かったなぁ。