
ウシジマくんの作者による新しい漫画「九条の大罪」の2巻を読んだのでレビューします。
—1巻のレビューはこちら—
これまで
弁護士の九条の元へは半グレや輩がトラブルから逃れるために集まっていた。
九条は顧客ファーストをモットーに輩相手に悪い噂が広がろうとも弁護をしている。
2巻の感想
ここから感想です。ネタバレも普通に触れていきます。
まず話の内容的には、1巻と別の話になっているようで、地味に話が繋がっているので1巻の人物や内容を忘れていると話がイマイチ入ってきません。
1巻の最初で飲酒運転で事故を起こしたやつや刑事も続きで結構なキーマンとして登場します。
九条の2人の師匠と家族
今のところ九条の素性は謎が多いですが、今回は2人の師匠と亡くなった父親、その墓前で兄も登場します。
兄貴のほうとは軽く会話した程度で検事だということくらいしか分かっていません。
九条の本名は「鞍馬(くらま)」というのも判明し、九条というのは別れた嫁の名字のようです。
九条は婿入りしていたようなので、家族との確執が背景にあったように思います。
九条の兄は今後の話でも重要人物になってきそうですね。
2巻の冒頭で九条は2人の弁護士と父の命日ということで電話しますが、その1人の山城という悪徳弁護士と今回は争う展開になっていきます。
介護ビジネスの菅原という男
山城と繋がっている菅原という半グレ?が登場します。
菅原は介護ビジネスに目をつけて、老人を格安で預かってボロ儲けしているようです。
この手法は、ウシジマくんにも似たようなものがありました。
ホームレスに住居と仕事を与えるといって奴隷のように働かしていた半グレの3兄弟がいましたが、それと仕組みは似ていますね。
今回は金のある認知症の老人に遺産を寄付させるという手口のようです。
こういうのが儲かるというか、サブスク的なビジネスだみたいな話…本当によく調べているなーと関心します。
また、菅原は1巻から登場していた大物半グレの壬生(みぶ)と揉め事になります。
パワーバランス的には菅原のほうが格上なのか、菅原がケツモチしているクラブで壬生の後輩が乱闘したか何で揉めて壬生は菅原に500万円を要求されます。
この話もまだ終わってないので、後々に九条も巻き込む展開に発展しそうですね。
壬生と九条の関係性もまだ曖昧でハッキリと描かれてはいませんが、一緒に飯を食べたり明らかに他の顧客とは違い、もう少し深い関係にありそうです。2人の関係の謎も気になるところです。
まとめ
安定の面白さでした。
作中で菅原が話している税金の話は本当笑えないレベルの社会問題です。
『日本はオワコン』ネットだとよく耳にする話ではあるんですが..
ネットでセーフティゾーンから正論で配信しているだけのインフルエンサーとは違って、犯罪者や悪者が事実として言っているところがすごいリアルというか、個人的にはよっぽど響きます。
伏線が多すぎるので感覚が空くと読み返さないと分からなくなりそうです。
ウシジマくんと似てはいるんですけど、全体的に今風になっていてしっかりとアップグレードされている印象です。単純に構成力など作家の技量も上がっているのが分かります。
ヤクザが作中にほとんど登場しないのはパワーバランス的なことを考慮しているからなのでしょうかね。
どうしても、この手のジャンルの漫画はヤクザが出てくるとパワーバランスが悪くなりますからね。
本来強いはずのポジションでも半グレってだけで格下キャラになってしまうところはありますし..(ウシジマくんの獅子谷とか)
一緒にいる弁護士の子との何気ない会話も今後揉める展開になる典型的なフラグを立ててますね。
1巻からの流れを見る限り、今回はウシジマくん以上に全体の構成をしっかり立ててありそうなので巻数が進むごとに楽しくなってくる予感がしますね。
3巻は8月30日発売のようです。また感想書きます。