上京生活録イチジョウ1&2巻を読んだ感想「他の2作品と比べると..」

利根川、班長に続くカイジスピンの第三弾。

今回はカジノ店長の一条が主人公で時系列的にはカイジと出会う10年弱くらい前で一条が19歳のころの話。

ですが、基本ギャグ漫画なので作中の時代背景とかはめちゃくちゃです。

カイジがエスポワールに乗ってた時代は設定上90年代ころと思われますが、そうなるとこの話(イチジョウ)は80年代とかになってきますが、普通にスマホ使ってSwitchで遊んでいます。

トレンドネタもガンガン攻めてるので、そのあたりの時系列や細かい設定等はあまりツッコミを入れずというのは本作も同様ですね。

作品テーマ

第一弾のトネガワは「仕事」、第二弾のハンチョウが「遊び」が大きなテーマになっています。

そして第三弾となる一条はフリーターの成り上がり記録という利根川(仕事)と班長(遊び)の半々くらいな内容になっています。

高卒の一条は同世代が大学を出るころまでには何者かになりたいという強い成功欲を抱き、後輩の村上と共に日々悶々と暮らしています。

とはいえ、遊びたい盛の年頃で、ニートに近いフリーターにとっては誘惑が多く、同居している村上も毎日ソシャゲやSwitchやったりしてるので一条もついついやってしまうわけですね。

利根川のようなバリバリ仕事をこなす何者かにはなりたいが、現実はファミレスでバイトするただの高卒フリーターで毎日遊んでしまうという日々が続き、そんな悶々や葛藤をギャグで描いています。

個人的に面白かった話

12話「共振」(コミック2巻収録)

~あらすじ~
意識高い系の一条は上京してからツイッターを始め、日々意識高い系のツイートをひっそりとしていた。だが、大した反応も得られず悶々としていると、ある時、共感してくれる女性からDMが届く。
メッセージのやり取りをしているうちに、リアルで会うことになり、喫茶店でお茶して話も会い手応えを感じた一条。帰宅後、DMでまた来週も誘われる。続く・・

13話「合鏡」(コミック2巻収録)

~あらすじ~
ツイッターで知り合った女性メグと仲良くなった一条は翌週も会うことになる。合流すると、喫茶店ではなく今日は一条に合わせたい人がいるという。その人はお金に対する思想など凄いらしく、期待してメグについて行く一条だったが、結局はただのマルチの勧誘で胡散臭いセミナーに連れて行かれてしまうのであった。

 

今のところ2巻まで発売されていますが、この話が一番好きでした。オチも含めて一番一条らしい話かなーと。

あとは村上が髪の毛染めたら性格が明るくなった話とか、おしゃれに目覚め失敗する話とか、ネタとしては一条の意識高い系よりも村上ネタのほうが当たり回が多いような印象ですね。

まとめ

正直、トネガワとハンチョウに比べるとまだ掴めてない感じがありますね。

原作、漫画を3人体勢でやっているのでもう少し内容にも期待したいところですが、一条を軸に今の意識高いけど、やれない系のキャラだと結局そこまで発展しないというか、この自己啓発セミナーで騙されかけるって話が限界のようにも思えます。

班長ほどはっちゃけられるわけでもないし、利根川みたいにある程度の地位や実力があるわけでもないので、難しいところですね。

一条自体がはっちゃけキャラじゃないし、めんどくさい奴なので、今後はそのめんどくさい部分をイジっていく方向性にいくのか、周りのキャラがだいぶ固まってきたので、三好などをネタにしていき一条はツッコミ役に徹するのか、どういう切り口の話を描いていくのかは今後も楽しみではあります。

ただやっぱり、現在好評で連載中のハンチョウにはちょっと勝てない気がしますね。

一条はギャグではないような・・。

どちらかといえば、一条は沼で負けて地下行きになってからの様子を描いたほうが面白いようにも思いますね。

そうすればハンチョウともコラボできますし。

そっからの成り上がり劇を描くのも良いと思うのですが、本編の時系列を超えるのはさすがにまずいのかもしれませんね。

カイジは本編がもう終わってしまった(連載は続いてるが)ので、スピンで正統派をやって欲しいですね。