
ジャンプノベル編集部から出版されている短編集。
本作以外にも同時に「5分で読める恐怖のラストの物語」「5分で読める胸キュンなラストの物語」が発売されている。
今回読んだ「5分で読める驚愕のラストの物語」は、表紙絵をチェンソーマンの藤本タツキ先生が描いている。
それぞれ、恐怖ラストは約束のネバーランドの出水ぽすか先生、胸キュンラストはかぐや様は告らせたいの赤坂アカ先生が表紙絵を担当している。
個人的に良かった作品を2つ紹介
5分で読める驚愕のラストの物語には全部で13の短編集が収録されているが、その中でも個人的に面白かった2作を簡単に紹介していく。
年収チェッカー 羊山十一郎(ひつじやま じゅういちろう)
~あらすじ~
売れない小説家とその恋人の話。
恋人の女は大学時代に同じサークルだった小説家の男に魅力を感じて付き合うが、大学を卒業し専業の小説家となった男の収入や言動に限界がきていた。
将来のことを心配していた女だったが、ある日ひょんなことから婚活パーティのへ参加することになる。
そのパーティで出会った女性から相手の年収をかなり正確に計測できるアプリをもらい、女は次第に心変わりしていく..
~感想~
年収チェッカーは着眼点がすごく良かった。
発想はドラゴンボールのスカウターかデスノートあたりからきているように思う。
女の名前を書いただけでやれちゃうデスノートのパロディA○もあったが、発想的にはそういう誰でも一度は思いつきそうなところにあるとは思うのだが、そういう小ネタを思いついてもなかなか1つの話として完成させるのは難しいところがある。
「衝撃のラスト」というだけあって最後はそれなりに怖い展開で終わる。
「5分で読める」という短い制限と「衝撃のラスト」という難しい条件の中ではよく完成されている話だった。
オトモダチ・レンタル 兎月竜之介(うづき りゅうのすけ)
~あらすじ~
いじめを受けている女子生徒が、ある日友達レンタルというサイトを見つけ1日5000円で友達レンタルをする。
クラスメイトの人気者を味方につけ、いじめは終わったのだが、今度は逆に自分が復讐でいじめをしてやろうとイジメっ子をいじめ返すのだが..
~感想~
これもアイデアが個人的には面白いと感じた。
ストーリー展開が早いのでもう少し長編で作り込んでも良い話のようにも思う。
最後のオチは何とも言えないモヤモヤする感じではあるのだが、キャラ設定、ネタ、展開や流れも全体的に良かった。
総括
衝撃の最後という短編というだけあって世にも奇妙な物語のような内容が多かった。
短編なので話の内容よりかは設定がすべてなところがある。
設定が面白かったら短いので最後まで苦なく読めるし、まあ楽しめる。逆をいえば、設定が微妙だと終始くだらないように感じる。
こういうのが小~中学生のころに朝読書の時間にでも読めたらすごい楽しめただろうな。