
エスジェイ(@crisisnoeln)です。
話題の100日後に死ぬワニが単行本化されたので電子で読みました。
本当はTwitterでタダ読みしよう思ったのですが、想像以上にTwitterだと読み返しにくかったので書籍化を待ってました。さっさく感想レビューしていきます!
100日後に死ぬワニとは?
100日後に死ぬワニはTwitterでリアルタイムで公開されていた4コマ漫画です。
タイトルの通りに、主人公であるワニが100日後に死ぬのですが、その100日間をリアルタイムでTwitterで配信し話題になりました。
99日間は主にワニの日常を描いています。
100日後に死ぬワニの感想
劇的に何かが起こるわけではない
この漫画は最初にタイトルや毎回の話の最後に「死ぬまで後〇〇日」とオチを毎回フリにしている。
先にオチを見せてしまうという手法は他の漫画や映画でもある見せ方だが、この漫画の場合は、本当にワニが死んでしまうのか?という点もリアルタイムで読んでいた時は話題にもなっており、実はタイトルは裏切り展開なんじゃないかという期待感も持てる。
だが、一気読みすると、ワニが死ぬまでのカウントダウンがブラフではないことが良く分かる。というか、死ぬ前提でないと成立しない話になっている。
単行本版で見直してみると、1日が4コマで終わるので、1日があっと言う間に終わってしまうので100日間もあっと言う間に終わってしまう。
ワニには友達のネズミや犬、好意を抱く女性ワニがいるのだが、彼ら彼女らとの関係性が100日間で劇的に変わることはない。
それどころか、基本的にこれという出来事は起こらない。
4コマ漫画なので冒険するようなストーリー展開にはできないのだが、それ以前にスポットが当たっている場面がほとんど日常になっている。
ネズミとゲームをしたり、バスケをしたり、ラーメンを食べに行ったりする。
フリーターで夢のないというワニが、ただ日常を浪費する様子や、映画を見に行き面白かった映画の続編情報に胸踊らせたり、通販で良くわからない安眠グッズにワクワクしたりしている。
何でもないようなことが幸せだったと思う~
と、最後にワニが死んだ後には、ジョージ高橋の名曲が頭に流れてしまう。
人はいつ死ぬのか分からない

当たり前の話だが、人はいつ死ぬか分からない。
ひょっとしたらアナタも私もワニのように明日交通事故で死ぬかもしれない。
ワニは作中でフリーターだったり、ニートだったりしますが、何にでもなれるならプロゲーマーになりたいと、漠然とした夢があります。
「やりたいことをやらないと後悔する」というシンプルなメッセージですが、この作品の中で私が一番感じた部分はここですね。
好きな人がいたら告白しようとか、やりたいことがあるならやってみようとか、そんなこと分かっているようで、死ぬことが日常でないと中々深く考えることもないので改めて考えさせられますね。
作品としての完成度
この漫画の凄いところは、逆算して必要なネタをたくさん取り込んでいる点にもある。
日常が尊く感じさせるために、何気ない誰でも味わったことのあるような日常のシーンを多数入れている。
日常シーン
・美味いラーメンを食べる
・ゲームを楽しむ
・バイト先の先輩に恋をする
死ぬことが分かっていると切ないシーン
・ワンピの最終回が読めない
・好きな映画の続編が観れない
・もう親に会うことがない
・助けたヒヨコの成長
逆に死ぬ前に達成できた何気ないことに「雲ぶとん」がある。

この布団は2日目の時点で一年待ちで、さらに23日目にメルカリ的なサイトでも購入を流したので、もうワニは雲ぶとんの良さを味わうことができなかったはずだったが、たまたま営業職についた友人から譲ってもらうことになり偶然運命が変わり雲ぶとんを味わうことができる。
このように、ちょっとした出来事により運命が変わるようなことがある。
ワニは交通事故で死んだので、不運で亡くなるわけだが、そういう不条理もこの作品の面白さであり、非常によく練られているなと思いました。
まとめ
この漫画はTwitterでの投稿が終わったと同時に「書籍化」「映画化」「アニメ化」が発表されて炎上したことも話題になりました。
要は「結局は金目的かよ!」みたいな理由なんですが、まあまあ個人的にはそのへんはどうでも良いというか、少なからず漫画書いてる時点で金目的でやらないとダメだとは思うんですけどね..。
テーマがテーマだっただけに、露骨な収益化と、最終回と同時に発表だったので、その辺も炎上につながったようですが・・。良い作品だけに残念ではありますね。
ただ、本当に漫画は面白いですし、読みやすいです。
少なくとも単行本版は読みやすいですし、作家さんの次回作にも期待したいなら購入して良いのではないかなーと思います。